QCストーリーとは?|生産管理の基礎知識

QCストーリーって何なの?

QCストーリーってどうやって進めるの?

そんな疑問にお答えします。

生産管理として働いている人は、「QCストーリー」と言う言葉を一度はお聞きしたことはあるのではないでしょうか。

聞いたことはあるけど、あまり詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか。

生産管理歴10年目のわたしが今まで学んできたことや実体験をもとに、できる限りわかりやすく解説していこうと思います。

生産管理として働くのであれば、知っておいて損はない基礎知識となりますので、ぜひこの記事を読んで理解いただければと思います。

1.QCストーリーとは?

QCストーリーとは、PDCAサイクルを細かく分け、具体的なステップにしたもので、改善活動を進めるための道筋となるものです。

簡単にいうと、問題を解決するための改善ストーリーのことです。

QCストーリーで定められているステップに従って改善活動を進めると、

  • 職場に潜んでいる、あらゆる問題点を見つけることができる
  • 問題を解決するための、対策を検討し、実行できる
  • 対策の効果がどれくらい見られたか把握できる
  • 効果の見られた対策を標準化できる
  • 反省し、今後のさらなる改善を検討できる

このような効果が期待できます。

企業では、QCサークルという少人数の改善グループを編成し、グループごとにあらゆるテーマで、QCストーリーに従って改善活動(QCサークル活動)を進めていきます。

QCストーリーを進める上で、改善効果を把握するためにデータを定量的に捉える必要があります。

そこで、「QC7つ道具」、「新QC7つ道具」というQC手法の活用が求められます。

QC7つ道具は、QCサークル活動で最もよく使用されている、数値データを取り扱う手法となります。

新QC7つ道具は、事務やサービス部門などの職場でよく利用されている、言語データを取り扱う手法となります。

これらの手法を上手く利用することで、問題の大きさを数値で表せるため、改善効果がどれほど見られたか把握できるようになります。

QC7つ道具について、くわしくはこちらをご覧ください。

 

続いて、QCストーリーのそれぞれのステップについて、進め方を見ていきましょう。

1-1.QCストーリーのステップ

1-1-1.テーマの選定理由

このステップでは、QCサークル活動を進めていく上でのテーマを決めていきます

「テーマの選定理由」は最も重要なステップといえますので、リーダーの偏見や上司の押し付けによって決めてはいけません。

メンバー全員でしっかり時間をかけて、みんなが納得するテーマを検討しましょう。

テーマの選定理由は

  1. 問題点を探す
  2. 問題点を洗い出す
  3. 問題点を整理し、絞る
  4. テーマ名を決める
  5. 選定理由をまとめる

このような流れで進めていきます。

進めていく際のポイントをまとめておきます。

ポイント
  • メンバーの意見をよく聞くこと
  • 日頃困っていることや、ムダな時間が掛かっていることなど、身近な問題を探す
  • ブレーンストーミングを行い、多くのアイデアを出す
  • 問題点の大きさはあいまいにせず、具体的に数値などで表す
  • 問題点を絞るときは、重要度、緊急度、経済性の大きいものに絞っていく
  • サークルの実力を見極め、そのテーマが大きすぎないかよく検討する
  • 上司に相談をする

このステップでよく用いられるQC手法

  • 棒グラフ、折れ線グラフ
  • パレート図
  • 層別
  • 親和図

など

1-1-2.現状の把握

このステップでは、決定したテーマに対する問題の大きさの現状を明らかにします

このステップは

  1. 問題の現在の状況を明確にする
  2. 定量的に把握する
  3. データを収集する
  4. グラフ化する
  5. ばらつきをつかむ
  6. 目標を設定する

このような流れで進めていきます。

進めていく際のポイントをまとめておきます。

ポイント
  • 何が問題なのか洗い出す
  • 三現主義(現場、現物、現実)に基づいて事実をとらえる
  • 数値データで把握できるよう工夫する
  • データ収集は、定量的かつ客観的に収集する
  • 時間別、人別などあらゆる角度から層別してみる
  • ばらつきが出るまで層別を繰り返す
  • 「何を」、「どれだけ(定量)」、「いつまでに」が明確な目標をたてる

このステップでよく用いられるQC手法

  • 棒グラフ、折れ線グラフ
  • パレート図
  • 層別
  • チェックシート

など

1-1-3.活動計画

このステップでは、文字通り、QCサークル活動の計画を立てていきます

このステップは

  1. スケジュールを決める
  2. 役割を決める

このような流れで進めていきます。

進めていく際のポイントをまとめておきます。

ポイント
  • 各ステップをいつまでに完了させるのか明確にスケジュール化する
  • 計画に大きなズレが生じたときは、見直す
  • リーダーや書記などの役割を決める

このステップでよく用いられるQC手法

  • ガントチャート
  • 層別
  • アロー・ダイヤグラム

など

1-1-4.解析

このステップでは、前ステップでとらえた、ばらつきの原因を追究していきます

このステップは

  1. 要因を洗い出す
  2. 要因を絞り込む
  3. 絞り込んだ要因が真の原因か、データで確かめる

このような流れで進めていきます。

進めていく際のポイントをまとめておきます。

ポイント
  • ブレーンストーミングをおこない、特性要因図などで要因を洗い出す
  • 事実・データや実績などをもとに、要因を絞り込む
  • 実験を行い、悪さを再現してみる

このステップでよく用いられるQC手法

  • 棒グラフ、折れ線グラフ
  • 特性要因図
  • 層別
  • チェックシート
  • ヒストグラム
  • 連関図
  • 系統図
  • マトリックス図

など

1-1-5.対策

このステップでは、問題を解決するための対策を検討・実施していきます

このステップは

  1. 対策を検討する
  2. 計画を立てる
  3. 対策を実施する

このような流れで進めていきます。

進めていく際のポイントをまとめておきます。

ポイント
  • 実現可能かは置いておいて、幅広く色々な対策案を出す
  • 実施する対策を、マトリックス図や系統図を用いて絞り込む
  • ガントチャートやアロー・ダイヤグラムを用いて、「何を」、「誰が」、「いつまでに」、「どれだけ」を明確にして、計画を立てる
  • 複数の対策を実施する場合は、それぞれ対策ごとに効果を把握できるようにしておく

このステップでよく用いられるQC手法

  • ガントチャート
  • 層別
  • 系統図
  • マトリックス図
  • アロー・ダイヤグラム
  • PDPC

など

1-1-6.効果の確認

このステップでは、実施した対策により、どれだけ改善効果が見られたのか確認していきます

このステップは

  1. 目標に対する実績を検証する
  2. その他の効果を把握する
  3. 無形効果も把握する

このような流れで進めていきます。

進めていく際のポイントをまとめておきます。

ポイント
  • 目標に対して、どのくらい達成できたのか検証する
  • 未達成の場合は、対策の再実施をおこなう
  • 現状の把握の際に使用したQC手法と同じ手法で、実績を調べる
  • 効果を金額で表してみる
  • 活動を通して、サークルや職場のレベルがどのように向上したのかを明らかにする

このステップでよく用いられるQC手法

  • 棒グラフ、折れ線グラフ
  • 層別
  • チェックシート
  • ヒストグラム

など

1-1-7.歯止め

このステップでは、改善効果の見られた対策を、今後も継続して実施するためのルール作りをおこないます

このステップは

  1. 標準化する
  2. 教育・訓練をおこなう
  3. 結果をフォローする

このような流れで進めていきます。

進めていく際のポイントをまとめておきます。

ポイント
  • 特に効果の見られた対策を標準化していく
  • 「5W1H」を明確にする
  • 新入社員や作業員の入れ替え時の教育制度をつくる
  • 管理図や管理グラフを用い、効果が継続しているか監視する
  • 効果が下がったり、悪化した場合は、対策を取れるルールを作っておく

このステップでよく用いられるQC手法

  • 棒グラフ、折れ線グラフ
  • 管理図
  • 層別

など

1-1-8.反省・残った問題点

このステップでは、QCサークル活動を通しての反省や、期間内にできなかったことをまとめます

このステップは

  1. 計画に対しての実績の差を反省する
  2. 各ステップの活動実績について反省する
  3. 残った問題点をまとめる

このような流れで進めていきます。

進めていく際のポイントをまとめておきます。

ポイント
  • 計画に対しての実績の差が生じた原因を洗い出す
  • 「良かったところ」、「悪かったところ」について反省する
  • 各ステップごとに範囲を狭くして反省していく
  • 意見は出たものの、今回は見送ったテーマは次回のテーマの候補に入れる

このステップでよく用いられるQC手法

  • レーダーチャート
  • 層別
  • 系統図

など

1-1-9.今後の計画

このステップでは、次回の活動について、残っている問題や今回の反省をどのように活かしていくのか計画していきます

このステップは

  1. 反省と残っている問題を次回の活動に活かす
  2. 今後の計画をたてる

このような流れで進めていきます。

進めていく際のポイントをまとめておきます。

ポイント
  • 悪かったところは繰り返さないよう気をつける
  • やり残した問題は、次回テーマの候補に入れる

このステップでよく用いられるQC手法

  • 層別
  • 系統図
  • アロー・ダイヤグラム

など

2.まとめ

QCストーリーは、問題を解決するための改善ストーリーです。

QCストーリー通り、進めることで、PDCAが自然に進み、あらゆる問題を改善していくことができます。

仕事の場面だけではなく、プライベートの問題でも活用することができます。

人生において知っておいて損はない知識と思いますので、よく理解を深めて頂ければと思います。

では、今回は以上となります。ありがとうございました。

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